雪だるま

Posted by M.Mukai on 2月 14th, 2011

 ずいぶんと寒い日が続きます。私が住む町も静かに雪が積もりました。雪が降ると少し嬉しくなった子どものころの気持ちは、今も少し残っています。実際は寒いし、昔程身体は軽くないし…慣れていない私にとっては危ないこともあって、必ずしも嬉しいものではないかもしれません。ただ、雪に触れて心が澄んでいく感じは、今も変わらず残っているようです。
 
 何かをしたいわけではないのだけれど、その時にしか見られない世界に触れたくて、少し歩きました。さんぽをしていると、あちこちの玄関に小さな雪だるまが座っていました。子どもたちの楽しそうな姿がうかんできます。私も昔、そうであったかもしれない。いつかは溶けてしまうのだけれど、そうしてその一時に躍らせた心を、いつまでも覚えていたい。

冬の旅

Posted by M.Mukai on 1月 24th, 2011

 歌曲王シューベルト(1797-1828)が残した、最高の歌曲集の一つ「冬の旅」。松原友さんのテノールリサイタルでの演目でした。ピアノは小林道夫氏。10年前に交わされた約束の実現でした。

「10年経って君が、シューベルトが『冬の旅』を作った年齢になったら一緒に演奏しよう。」

 1月31日のシューベルトの誕生日に合わせて行われたリサイタル。師弟の絆、信頼が、なんとも美しい音楽となってホールに響きました。

 冬の旅を初めて全曲聞いたのは、ある番組でボストリッジが歌ったものでした。クラシックの名曲に興味が湧き、常に何かを音楽から得ようと思っていた学生時代、よくクラシック番組を見ていました。その「冬の旅」は背景が真っ白な場所で、普通の演奏会とは違う演出の中歌われていました。当時の私には難しすぎたようで、なんだかよくわからなかったという気持ちだけが残りました。

 あれから数年が経ち、私もその年に近づいてきました。今の自分にとって、「冬の旅」は非常に刺激的でした。冷たい足音のように、ピアノが音楽を刻み始めた瞬間から、ハーディガーディの空虚なオスティナートで幕を閉じるまで。

 すばらしい10年を歩んでこられたのだなと、感動とともに、自分の10年をふり返りました。過ぎたものは戻らないけれど、これからの10年、いやそう欲張らず、まずはこの一日、私も音楽と向かい合いたいと思いました。

M−1 笑い飯

Posted by M.Mukai on 12月 26th, 2010

 笑い飯がドラマを作りましたね。最後のM−1、最後の挑戦、漫才に新しいスタイルを持ち込んだ二人が、なるべくしてなったチャンピオンだったと思います。初めて登場した時からとても好きでした。どのネタもとてもおもしろい。
 「奈良県立歴史民族博物館」のネタが大好きです。来年はますますの活躍が期待できます。

クリスマスの約束

Posted by M.Mukai on 12月 25th, 2010

 私の住む町では初雪が降りました。雪を見るとなんだかどきどきします。クリスマスにはいろいろな演奏会を見る機会があります。20日、イルミネーションに彩られた中央公会堂では、ジャヌカンとピアフという、時空を超えたフランスシャンソンを取り上げた、ジパングコンソートのクリスマス演奏会がありました。アカペラヴォーカルグループですが、ピアフではアコーディオンとの共演で、艶やかなフランスシャンソンの魅力を魅せてくれました。

 クリスマスイブの番組「クリスマスの約束」。たくさんのアーティストが集い、それぞれの曲、また、感銘を受けた曲のカバーを、美しいアレンジで聞かせてくれました。心に残ったのがハーモニーの美しさ。個性の強い歌手たちの集まりでありながら、それぞれがそれぞれに歌っているのに、音楽は一つ。

 衝撃を受けたのが「小さな恋のうた」。きっと誰もがどこかで耳にしたことがあるはず。私もありました。でもこんなにステキな曲だと知りませんでした。当たり前のことをこんなに素直に歌えるって、本当に美しいと思いました。

 歌手が集い、名曲をみんなで歌い上げる、すばらしい時間でした。

グレゴリオ聖歌

Posted by M.Mukai on 12月 22nd, 2010

 ベートーベンの時代から1000年も昔、西ヨーロッパで伝承された聖歌が、グレゴリオ聖歌として集められました。記譜法も今と違い、当時どのように歌われたかは今ではわかりません。ソレム修道院で編纂された歌唱法が、現在まで一般的なグレゴリオ聖歌の歌唱法、ソレム唱法として広く知られています。

 あるホテルのロビーで聖夜の演奏会があり、出演しました。プログラムはグレゴリオ聖歌を中心に、モンセラの朱い本、サカラメンタ提要、それぞれ、当時歌われた聖歌を収めた印刷譜です。モンセラの朱い本はモンセラート修道院で、サカラメンタ提要は、なんと安土桃山時代の日本で歌われていたキリスト教の聖歌集です。その後のキリスト教の弾圧で今や世界に6冊の現存のみ確認されています。ルネサンスからも、来年没後400年を迎える大作曲家、トマス・ルイス・デ・ビクトリアの作品を。

 クリスマスツリーの下、単旋律から、ポリフォニーまで、祈りの時間を過ごしました。

 「文字のない文化はあっても、音楽のない文化はない。」
音楽教育の必要性を問うたとき、大学時代の教授がそんなことを言っていました。その音楽はいつも祈りから始まったのではないかと思います。豊作を願い、また豊作を祝い。天災を恐れ、平安を願い。悲しみ、苦しみ、喜び、願い、それぞれ心から溢れ出すものが、音楽として広がり、人々を包み込んだのではないでしょうか。そうした音楽に触れる時、心打つものがあるのは、弱い私たちにとって必然かもしれません。

 演奏する立場となるときには、そんな祈りを心にもって歌いたい。


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