演奏会に行きました。ベートーベンの田園とラフマニノフのピアノ協奏曲第二番、後者はもっとも人気のあるピアノ協奏曲の一つ。美しい女性のピアニストがソロをつとめておられました。音楽を聴きながらなぜか胸が苦しくなりました。音楽に向かう姿勢に、私の中にある憧れに。小さな体からの音は、けして大男のそれではないだろうし、オーケストラも巨匠の集まりではなかったかもしれない。まだ途上かもしれないけれど、フレーズ、和音、一つ一つの音に魂を込めてラフマニノフというピアニストに向かい、対話し続けてきた、そんな音楽家の演奏だったと思います。

 私はラフマニノフというピアニストが好きです。力強くて繊細で、迷いや苦悩が見え隠れする。

 その瞬間しか存在できない音、その音と常に向かい合い、命を注ぐ。時に(心の底ではいつもかもしれないが)そんな生きた音を描く音楽家に憧れる。