国立国際美術館 国立国際美術館、モディリアーニ展に行ってきました。モディリアーニ、不思議な画家でした。彼のスケッチブックには、人体のいろいろなスケッチ、クロッキーがありました。多くは、線を重ねて形を探して行くのではなく、躊躇しない一本の線で、描かれている素描。ピカソもそうであったように、まずフォルムを描く技術を学び、より単純で純粋な表現方法を探していたのかもしれません。

 プリミティヴィズム、文明に侵されていない原始美術とか、部族社会の美術とかを指すらしいのですが、そうした美術に魅了されて、モディリアーニは彼独特の人物描写を確立していきました。ピカソもそうした美術に興味を持ち、どちらかというと情熱的な表情をあらわにした、アフリカの彫刻に強い影響を受けた時代があったようです。それを経て後にキュビズムの開拓に突き進んでいくのですが、モディリアーニは一見無表情な、静かな表情の彫刻に魅せられた時代があり、彼の人物表現を開拓していったのでした。

 たくさんな肖像画がならんでいて、どれも無表情に描かれているようなのに、なぜか強い意志を感じる。色彩や、静かながら何かを秘めた表情が、一人一人の個性を際立たせていました。表情に表れない、静寂こそが表せる本質を、彼は描きたかったのかもしれません。

 彼の作品には女性の肖像画がたくさんありますが、恋人のジャンヌ・エビュテルヌのそれはその作品群の中でも重要なものだと思います。展示場には色男なモディリアーニの写真、美しいエビュテルヌの写真がそれぞれありました。二人がいかにお互いを必要としていたか、彼の作品からも伝わってきます。

 35歳で病により永眠した彼を追い、エビュテルヌは二日後に自殺したという。最後の最後までなんともドラマティックで、映画にもなっているようです。ぜひ見てみたい。

「モディリアーニ展」9/15(月)まで国立国際美術館にて