出口
 高校生の時は、ただただ将来の不安や、なんとなくさみしい日々に、いつも現実逃避をしていた気がします。描く絵もどこか現実離れしたものばかり。翼の生えた人たちが住む世界に行きたかったのか、もう忘れてしまったけれど実は我々はすべてもともと翼を持っていて、いつのまにか失ってしまったのか…

 おーなり由子さんの「天使のみつけかた」という本に人間になりたかった天使の話というのがありました。天使にしか見えないものがあるのと同じだけ、人間にしかみえないものがあると─

 この出口を通って外に行きたいと思っていたのか、向こうからこちらに出てきてしまったのか、今では覚えていない。けれど空に憧れた高校生が翼を持ったら、きっと今度は地面を踏みしめて歩くことに憧れるのだろう。与えられたものへの感謝ができれば、きっとその人は幸せになるだろうと思う。