昔、教会では女性は歌うことが許されておらず、その音域を奏するために、カストラートやボーイソプラノ、カウンターテナーが活躍していました。また音楽室の肖像を見ても、女性の作曲家はまず見たことがありません。

 先日京都で行われたソプラノリサイタルでは、私にとっては普段なかなか聴く機会のない女性作曲家の作品が演奏されました。とても美しい曲でした。神が作曲家を通して我々に与えた音楽を評価されるべき形で紹介するのも、良い演奏家の仕事の一つでしょう。

 プログラムにヘンデルのアリアが一曲含まれていました。クレオパトラの有名なアリア。歌い手によっては、刹那の作品としてさらに美しく生まれ変わる原石。録音技術のなかった当時、いったいどれほどの名曲となって演奏されたことだろう。やはり私はヘンデルが好きです。