アメリカのとある町に、ロバートという男が、
妻と幼い娘の三人で暮らしていました。
貧しい中、三人は幸せを感じる日々を送っていました。

 そんなある日、妻が病気で寝込むようになりました。
ロバートは治療のために一生懸命お金を集め、
蓄えも使い果たして、妻の回復を祈りました。
しかしその想いも空しく、
妻は起き上がることもできなくなってしまいました。

 12月のある夜、まだ幼い娘が無邪気に尋ねました。

「ねぇパパ、
 私のママは、どうしてみんなのママと同じじゃないの?」

 みんなみたいにお母さんと遊んだり、お出かけしたりしたい
という思いもあったかもしれません。
ロバートは娘を抱きしめ、
この子を幸せな気持ちにしてやりたいと、
一生懸命に答えを考えました。
そして自分の中から想像力と勇気をかき集めて、
ゆっくりと、一匹のトナカイのお話をはじめました。

  人と違うことを悲しんではいけない。
   違うということを誇りに思うことが必要なんだ。
    奇跡はきっとおこるはず。

 そんな想いをこめて。