私はこの映画が好きです。ジブリが好きというのもあるけれど、この作品が好きです。1週間の間に起こった、人間の目でふり返れば全てが嘘であったかもしれないできごと。でも、少なくとも主人公の男の子にとってはそうではない。小人と会えることを夢見ていた女主人にとってもそうかもしれない。ドールハウスから香るハーブ、髪留めのクリップ、彼らにしかわからない一つひとつの小さな足跡。現実の出来事の一つひとつが、もしかしたら小人たちの仕業かもしれないという、夢のような物語。
 小人たちは絶滅の危機に面し、掟を守り、必死で働いて生きようとしているのです。ただ、若い小人の好奇心は、自分たちの静かで小さな世界から飛び出してしまいます。
 見られてはいけないのだけれど、何か、我々の心の中に残ろうとしているようにも感じます。彼らの生き方を私たちに示すことで。絶滅しようとしているのはいったいなんだろう。「小人がどこかにいるかもしれない」という、ファンタジーのような冒険を夢見る心も、その一つかもしれない。
 我々は小人ではないから、小人目線で見ることは難しい。「あの夏男の子に見られたな」とか「あの家はすてきだったな」という感覚は、想像はできてもきっと小人たちと同じようには持てないのですが、人間にとっての小人という、夢のような儚い世界観にはとても心を打たれるものがありました。

 Arietty’s Songも公開前からとても注目されていました。Celticな響きがとても爽やかに、幻のような一夏の日々を包み込んでいました。

 どんな映画にも、どんな音楽にも、どんな作品にも、きっと色色な評価がついてくるものでしょう。そうした感想に触れると、人それぞれ、その人の経験や感性で違った感想を持たれることがよくわかり、楽しいものです。でも作品に触れる時は、評判などで(その作品を知る一助にはなることもありますが)先入観ではなく、それらに自分で触れた瞬間、見て、聴いて、感じたことを大切にして行きたいです。そんな感想の一つとして。